伊藤常足 いとうつねたり

伊藤常足遺品

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福岡藩を代表する国学者

県指定有形文化財 伊藤常足遺品

  • 指定年月日 昭和35(1960)年8月16日
  • 所有者 伊藤常足
  • 保管場所 鞍手町歴史民俗博物館(TEL)0949-42-3200

伊藤常足

 伊藤常足は江戸時代後期、福岡藩の国学者です。
 安永3(1774)年、鞍手町古門、現在の古物神社の神官の家に生まれました。当時福岡藩を代表する学者であった亀井南冥と、青柳種信のもとで学び、68歳の時、九州各の歴史をまとめた『太宰管内志』82巻を書き上げました。この書物を作るために常足300冊もの資料を読み解いています。現代と違い、出版物の数も少なく、図書館などもない時代に、紙と筆で資料を一字一字記録し、まとめ上げるのは大変な作業で、実に37年もの歳月をかけて完成させました。『太宰管内志』は明治時代になって活字化され、現在も多くの研究者に活用されています。
 また地域の人々への教育にも熱心で、安政5(1858)年に85歳の生涯を終えるまで、地元の子どもたちに読み書きを教えた他、学問を志す人々には、身分や男女の区別なく指導にあたりました。

伊藤家資料

 伊藤家に保管されていた資料は、福岡県の文化財に指定され、現在鞍手町歴史民俗博物館に収蔵されています。
 この中には『太宰管内志』をはじめ福岡藩に献上された多くの著書の原稿や写しの他、研究のために収集した書物を写し取ってまとめた『群書抄録』などの資料があります。また、学問に励んだ賞として、福岡藩内の神社を統括する桜井神社よりいただいた「鶴の羽織」などの遺品もあり、学者としての常足の業績がうかがえます。また、常足は自ら和歌をよみ、その指導もしており、常足と門人たちの歌集や、日記の中に歌をよみこんだ歌文集が残されています。
 さらに資料には常足の長男で画家の大弐(画号南華)の作品など、伊藤家代々の遺品などもあり、その数は7600点におよびます。



伊藤常足旧宅

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 この家は伊藤家に残された文書により天明6(1786)年に建てられたことがわかっています。建築当時の材料がほぼ残っていることや、建てた時の様子がわかる資料があることから県の文化財に指定されています。現在の家は文化14(1817)年の図面を参考にして整備されました。
 神官であった常足は、神社に接したこの家から生涯離れることなく、学者としての仕事もすべてこの家で成しとげました。伊藤家の日記である『家事雑記』を読むと、常足がこの家で、神社の仕事をしながら訪ねてくる門人たちを指導し、近所の子どもたちに読み書きを教え、日々の農作業や家事にまで目をくばっている様子がよくわかります。伊藤常足
旧宅は決して豪華な建物ではありませんが、学者としての名声を追うことなく、「お宮の先生」として一生を終えた常足の謙虚な人柄そのもののようです。

県指定史跡 伊藤常足旧宅

  • 指定年月日 平成7(1995)年1月9日
  • 所有者・管理責任者 伊藤常足




添付ファイル: file伊藤常足肖像画.jpg 1133件 [詳細] file伊藤家資料.pdf 700件 [詳細] file伊藤常足旧宅.jpg 1084件 [詳細]
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